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教育系YouTuberになったつもりで、2020年センター試験 数学I・数学Aの第1問[3]を解説(二次関数の平行移動)

問題(記述式に直した)

cを定数とする。2次関数y=x^2をグラフを2点(c,0)(c+4,0)を通るように平行移動して得られるグラフをGとする。
(1)Gをグラフにもつ2次関数の式を、cを用いて表せ。
(2)2点(3,0)(3,-3)を両端とする線分とGが共有点を持つようなcの値の範囲を求めよ。
(原題はこちら)

[1]のポイント

問題文や資料の言い回しに気を払う!特別な言い回しを分かりやすく説明して欲しい場合や、問題全体のヒントになっている場合がある!

前回に同じく、2次関数グラフを書き、軸と端点を調べる事なのは同じ。但し今回は、問題に使う2次関数の式の言い回しが、「平行移動して得られるグラフをG・・」と、いつも違う所に気を払う

筆者の1回目の解答時はy=x^2+ax+bと置いてやったが、[2]で要件を整理できず、色々なグラフを書いていた。2回目では「これ、問題のヒントじゃ?」と思い解答を書き直した。

2次関数のグラフを書く際の内部的な動作(アルゴリズム)について

関数y=f(x)のグラフの平行移動

1次関数(y=ax+b)(以下a≠0)、2次関数(y=ax^2+bx+c)(以下a≠0)のグラフを書く際に微分して、増減や変曲点を調べなくてよいのはなぜだろうか?それは1次関数(y=ax)、2次関数(y=ax^2)のグラフの概形は知っているという暗黙の元、それらを平行移動する事でグラフが書けるからである。

まず同じ性質を持った点を集めると直線、曲線となる。ここで平行移動とは、こうした直線、曲線上全ての点を決まった方向に一定の距離だけ動かす動作(写像)である。

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これを式で表すと以下のようになる。

関数C1:y=f(x)を右にp,上にqだけ平行移動した関数C2の式:y = f(x-p)+q

2次関数の平方完成と平行移動との関連性
2次関数y=ax^2+bx+cの式を平方完成した式は、y=ax^2を平行移動した式になっている!

ここで2次関数のグラフを書く時は、2次関数y=ax^2+bx+cの式を平方完成すると、y=ax^2を平行移動した式が出てくる事を利用する。

例えば平方完成により、y=x^2+2x+3 ⇔ y=(x+1)^2+2 とy=x^2を平行移動した式が出てくる。以上よりy=x^2の上の点全体を右に-1、上に2だけ移動させるようにしてグラフを書くのであった。

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1次関数の式と平行移動

同様に傾き1で点(1,1)を通る直線の式を求める時、直線L1:y=x上の原点(0,0)を(1,1)に移すイメージで、L1:y=x上の全ての点を右に0,上に1だけ平行移動させている。これがy-1=1*(x-0)∴y=x+1から、直線の式が求まる為の内部的な動き(アルゴリズム)となる。

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この問題「グラフの概形を書け」ではなく、「グラフの概形を書くための内部的な動き(アルゴリズム)を説明せよ」な所が難しい。教科書の2次関数の部分で一番に解説される論点とは言え、いざ聞かれるとできないものだ。

[1]の解答(2回目の解答時)

y=x^2をグラフを平行移動した2次関数の式は、実数p,qを用いてy=(x-p)^2+qで表せる。

2次関数y=(x-p)^2+qが点(c,0)(c+4,0)を通る
⇔2次方程式(x-p)^2+q=0の2つの実数解がc,c+4

⇔2次方程式x^2-2px+(p^2+q)=0の2つの実数解がc,c+4*1

上記より2次方程式の解と係数の関係から、
c+c+4 = 2p かつ c(c+4) = (p^2+q) ∴p = c + 2 , q = -4
(*2次関数y=x^2のグラフを右に(c+2)、上に-4だけ平行移動した式!)

以上よりy=(x-(c+2))^2-4 (または y = x^2 -2(p+2)x+c(c+4)) (答)

[2]の解答の流れ

線分Lの式はx=3 (-3<=y<=0)のグラフを書いてみて、2次関数と共有点を持つか調べてみる。2次関数を動かす際に、平行移動(平方完成)に気づいているとすれば、2次関数を横にだけ動かして検証すればよい事が分かる。

ここでf(x)=(x-(c+2))^2-4とおく。下図のように頂点の軌跡がy=-4上にあることが分かり、端点f(3)の情報のみ調べればよい事が分かる。

平行移動(平方完成)に気づかなくとも何とか、-3≦f(3)≦0 に気が付いて、解答欄のマークを埋めて先に進める事も大切である。

問題の主題(平行移動)に気づかなかった人へのラストチャンスとして、原題は最後に「x方向に○○平行移動」という質問が入る。これもいわゆる伏線を回収するという意味で、親切な出題ではある。

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[2]の解答

まず線分Lの式はx=3 (-3≦y≦0)と表せる。ここで、Lとf(x)が共有点を持つのは-3≦f(3)≦0 のときである。ここでf(3) = (1-c)^2 - 4より、

-3≦f(3)≦0
⇔ f(3)≧-3 かつ f(3) ≦0
⇔ (1-c)^2 - 4≧-3 かつ (1-c)^2 - 4 ≦0
⇔ (c≦0またはc≧2) かつ -1≦c≦3
⇔ (c≦0 かつ -1≦c≦3) または (c≧2 かつ -1≦c≦3)
-1≦c≦0 または 2≦c≦3(答)
*2

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*1:問題の様子を見るに、f(x)={x-(c+2)}(x-c)(因数分解)から整理して・・・にも取れるが

*2:*[2]の不等式は、結局は条件をみたす実数cの集合を考えている。A={c|c≦0},B={c|c≧2},C={c|-1≦c≦3}とすると(A⋀B)∨Cとなる。
ここで(A⋀B)∨C = (A∨C)⋀(B∨C)としてcの範囲をまとめている。通例、この集合を数直線や座標平面を書いて(図示して)みつけるのだが、こうすると式から手を離さなくて解答できる(キーボードショートカット)のでこうした。