Aggressive Style 5

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昨今はコミケ関係を中心に書いています。同人やニコニコ動画方面で活躍される方の相互リンクをお待ちしています。

日本のアニメ業界のアニメーターの賃金よりも、購入層の収入の方が問題では?

過去ゲームを扱うK社のホームページ更新部分(CMS)を受験したことある。話の流れで「アニメ見てますか?」と聞かれ、数年前のアニメを答えたら「最近の見てないですか?」的な質問を数回。しまいには「うちは仕事外でもアニメの話をするから、アニメの話ができる人がいい」と言ってきた。

受け取り方次第ではすげえ嫌な言い方だな。「何で面接でこんな事言われればなるまい!」「そもそもシステムの改修の職種だろうが」「潰れろよ。こんな会社」とあの時はマジで思ったものだ。俺はこの件もあってアニメが余計苦手になり、アニメ知ってるんだぜとは言わなくなった。

ホント。どうも深夜アニメは苦手だ。人との話の種に3ヶ月以内にOAされた話を、常に見なけりゃならないと考えると面倒である。

さて話変わってアニメーターなど、実際にアニメを制作している会社にお金が回らない話をよく聞く。これを期にその収益モデルがどのようなものか?自分の頭を整理する目的で色々書いてみた。文章はかなりきつめだがぜひ読んで欲しい。

「日本のアニメ業界は、奴隷制度だ」という話 - Togetterまとめ 「日本のアニメ業界は、奴隷制度だ」という話 - Togetterまとめ

ハイライト

  1. 出資企業はケチりたいため、安く値切れるところから値切る
  2. きついのはアニメ制作会社だけでなく、アニメグッズを売る出資企業も同じである
  3. 結局買いたい時にアニメグッズを買うか、あるいは買わないのも解決策

アニメが放送されるまで

まず何故アニメが放送されるかと言うと、アニメグッズを売る業者が、グッズの宣伝をしたいからに相違ない。ここでYouTube等でアニメを流す手法だってあるはずだ。しかしながらその中でテレビを使うのは、テレビに依る広告効果や成約率(CVR)*1が一番高いからだと推測する。要は投資に対するリターンが見込めるからこそ、テレビ放送という手段が愛されているのだと考える。

テレビでアニメグッズの宣伝をするためには、○○時に△△のテレビ局にアニメを放送する権利を買う必要がある。場合に依っては、その枠を買う仲介を広告代理店が行うことがあるようだ。

広告代理店ビジネスの仕組み | 広告代理店の未来を考えるブログ 広告代理店ビジネスの仕組み | 広告代理店の未来を考えるブログ

伝聞によれば、1社で必要経費の全てをまかないきれない場合に、複数の会社が共同出資する場合もあるようだ(製作委員会方式)。以下の記事を読んでいると、基本出資者はグッズを売る会社同士で固めるようだ。

日本のアニメをダメにしたのはあいつらだ! 業界のタブーを本音でぶっちゃけ解説 日本のアニメをダメにしたのはあいつらだ! 業界のタブーを本音でぶっちゃけ解説

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俺の伝聞からの推察を言おう。遊戯王などでおなじみのコナミは年間2,000億円以上の売上*2がある。ゲーム系の企業は割りと売上が出ていたりだが、その一方で小売業に当たるアニメグッズ会社だと厳しい。ブシロードが非上場企業で調べられなかったため、ブロッコリーのデータ*3を出す。


企業名(証券コード) 期首 期末 売上高(百万円) 営業利益(百万円)
ブロッコリー(2706) H28.3.1 H29.2.28 5,692 707(12.4%)

推定としてアニメ放送に出資するためには、上のブロッコリーのように年間(4Q)の売上高が数十億円ある企業でないと無理だと思う。それでも出資比率で言ったら10%だとかそのくらいだと推測する。その為儲けに参加できる企業も限られて来るため、結果的に資金力のない会社から潰れていくと推察する。

アニメ制作・放送におけるお金の流れ

お金は川の流れのように

いきなりだが川の流れを想像して欲しい。川の流れとは山のような高い上流から、地上に近い下流流れる。ビジネスにおけるお金の流れも同様に、仕事を発注する側(上流)から、仕事を受注する側(下流)へと流れていく。ちょうど川の水の流量にも限りあるように、お金にも限りがある。

基本発注する会社の資金の数%を使って受注することなので、受注する側はその数%の数%を受け取る流れとなる。このためどうしても受注仕事は儲からない事がある

各社の収益モデルを整理してみる

以下フェルミ推定のような考えを用い、お金の流れや収益モデルを整理してみた。

まずアニメ放送における出資元のn社の出資金額をz_1,z_2,...z_n円と置く。出資合計金額はz = \sum_{i=1}^n z_i円と表せる。

出資合計金額z円の内、その内のx円が広告費として使われ、y円が制作費に使われる。このことから、

(式1) 出資合計金額(z) = 広告費(x) + 制作費(y)

上の式を面積図に表すと、以下のようになる。

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理想

ここで広告費(x)と制作費(y)を増やすには、出資合計金額(z)を増やす必要がある。更に突っ込んでいくと、以下のようにするのが理想である。

  • 出資企業数nを増やす
  • 出資金z_nを多く出してくれる企業を誘致する

実際

そもそも出資する側に取って、グッズの売上高を出せばいいだけの事。従ってそれに応じ必要な金額を出資すれば良い。次に広告費(x)と制作費(y)の相場が決まっていて、それに合わせて出資金を募っていると推測する。当然初期投資は安い方が良い。こうなると出資側が安い所に頼もうとなって、特に制作費(y)が安く抑えられてしまうと推測する。

俺がアニメの出資者だったら、出資合計金額(z)を回収したい。そのためにはアニメグッズの成約率を高めたいし、そのために広告費をかけ、制作費は固定費と見たい。

アニメグッズの相場も500円位のものから、数万円位のものまで様々だ。単価がどうしても安いため、売上個数を多く取りたい。そのために、バンバン広告を打ってアニメグッズの成約率(CVR)を上げたいところだ。それが出来なければ自分らが潰されるため、アニメグッズを売る方も売上を出す為に必死であると考える。

「諸悪の根源は製作委員会」ってホント? アニメ制作における委員会の役割を制作会社と日本動画協会に聞いた - ねとらぼ 「諸悪の根源は製作委員会」ってホント? アニメ制作における委員会の役割を制作会社と日本動画協会に聞いた - ねとらぼ

最後に

さて今まで広告費を(x)、制作費を(y)書き続けてきた。これはxyの具体的な数値を知らないし、またコントロールできる立場でもないからだ。実際問題アニメーターの給与云々をほざいた所で、出資者や雇い主でもあるまいし為す術は無い。

一般ピープルが出来る範囲として、アニメグッズを買えるよう懐事情を良くしておきたい。個人的には年収300万円~500万円くらいのバイヤーが育ってこないときついと読む。*4買いたいときに買いたいだけアニメグッズを買う。あるいはアニメ業界の崩壊を願い、アニメグッズを一切買わないのも一つの解決策のように思う。

*1:成約率CVR:TVを見れる人口をn、その内アニメを見た人間の割合をp_1、その内商品を購入した人の割合p_2として、CVR = np_1p_2

*2:平成29年3月期決算短信〔IFRS〕(連結)[9766]

*3:平成29年2月期決算短信〔日本基準〕(非連結)[2706]

*4:仮に年収が1,000万円あったとしても、俺だったらそこまでアニメにぶっこまないな。外車と時計に金使うよ。年収300万円~500万円と言うのはその主観からはじき出した数字である。