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第153回日商簿記検定2級(簿記2級)の合格報告と、当日の試験で注意した点を話す

初めに

第153回日商簿記検定2級に無事合格した。計5回の受験の末、ようやくこの試験がようやく終わった気持ちでいっぱいだ。実家の親や会社をはじめ、資格の大原の千葉・津田沼校、資格の予備校TAC津田沼校の各講師のみなさん、自習室を借りた資格の予備校TAC八重洲校に大変感謝である。

ただ受かった自慢をするにも、試験に失敗した人に申し訳ない。個人的に、日商簿記2級は当日の解答の仕方も大切な試験だ思う。そんな訳で以下、試験上での対応の仕方の話が中心にしていきたい。又試験当日や予備校の直前答練などで間違えた所を中心に話すので、皆さんの試験当日の参考にして欲しい。

全体的に基本的な試験問題のやり方を知っている人、又は再受験していつ人向けになると思う

得点状況

まず合格した得点状況は以下。第153回は、第3問の製造業を子会社に持つ連結会計の問題が難しい。その一方で、他の大問(第1問,第2問,第4問,第5問)でいかに点数を取れているかが肝心だった。そこで、第3問以外の得点状況を小計としてまとめた。


大問 出題内容 得点
第1問 仕訳問題(貸引・純資産など) 12/20
第2問 理論問題(満期保有目的債券など) 18/20
第4問 原価の分類・本社工場会計 18/20
第5問 組別原価計算(仕損・減損無し) 20/20
小計 68/80
第3問 製造業を子会社に持つ連結会計 6/20
合計 74/100

過去4回(第149回・第150回・第151回・第152回)の試験とも自己採点でそもそも62点、66点だった。この10点の為に何度も受験してきたと言っても過言ではなかった

おそらく初受験だったら仕訳12点、理論10点、連結0点、本社工場0点、組別8点=30点。運良く40点取れてればいい感じだ。第5問の損益計算書が出来てるかすら怪しい所。

今回自己採点では小計72点。自己採点しかも第3問以外で70点以上取れていた事自体初めての経験だった。しかし実際は、仕訳を1問落として小計68点という危ない状況だった。今後の資格試験でも、きちんと書き間違えがないか?計算が間違っていないか?などの見直しを徹底したい

3問目の連結会計が6点という事は、のれん、のれん償却、土地などの基本的な部分しか合ってない計算だ。結果的に運が良かったとは言え、一部分でも良いので、精算表を埋めておく姿勢が良かったと思う。

試験当日の様子

全部の問題を見渡し、得意な分野の大問から取り掛かる

いよいよ解答用紙に名前を書く時間がきた。名前を書きつつ、どんな問題が出るか確認。解答欄から2問目は理論、3問目は連結会計なのが分かった。そして数分後いよいよ試験開始。問題全体を見渡し、できそうな問題が無いか探した

後回しにする難しい大問を判別する

解答順を決める上で重要なのは、難しい問題の判別である。日商簿記2級は、毎回1問は問題文の読み取りが難しい大問、時間内に解答できない大問がある。これらが見分けやすい場合と、見分けにくい場合がある。最悪解答の順番を間違えて失敗したら、仕方なく2月を受けるつもりだった。

資料・問題文の読み取りが難しい場合

先ずは、最近の工業簿記に多い資料・問題文の読み取りが難しい場合だ。問題文から計算に必要な数値を拾うのに時間がかかり、他の大問に時間をかけられない場合がある。試験当日、資料の読み取りに自信がない場合程、後に解答する事を考えると良いかもしれない。

実際、前回の第152回の時、5→4→1→2→3の順番に解答。第5問(標準原価計算)から始めてしまった。いつも通り、ボックス図から差異を計算→シュラッダー図(ひじき)の作業である。ここまでは良かった。しかしシュラッダー図(ひじき)に使う数値を、資料から選び取るのに時間を取られてしまった。結果第3問に時間が回せず、今回再受験となった。

計算量・処理量が多く2時間で出来ない場合

もう一つは計算量・処理量が多く2時間で出来ないケースを紹介したい。例えば第149回の第2問の勘定記入の問題がそう。外貨建の商品売買の取引+移動平均法+売上原価対立法。X年X月X日時点の商品の数量をチェックする作業と、その都度売上原価を計算する作業だ。前に釣られて間違いやすい上、計算量も多い。*1

さて、最近連結会計で範囲外の物が出てきたりだが、試験範囲に関係無く難しい大問は存在する。こうした問題を後回しするか、やらないようにするかの判別も大切だ。以下は税理士試験簿記論になるが、簿記にも当てはまるので紹介したい。

税理士試験の簿記論は時間勝負ですが、それでも5~10分程度かけて確実に解かなければいけない問題、捨てる問題をランク分けし、読み飛ばしてはいけない解答のポイントとなる箇所には蛍光ペンでマーキングをしていました。練習問題を解くときから同様の作業を行っており、そのルーティーンを試験本番でも行うことで心を落ち着け、視野を広げる効果があると感じています。(第151回日商簿記2級は超難問!?それでも合格するにはテクニックとルーティーンしかない。:薄い本より薄いはなしより)

参考

解答順を2→4→5→1→3に定める

一方、第149回と第152回の場合とは違って、今回はわかりやすく難しい。この時点で第3問以外を慎重にやる方向で考えた。第3問は製造業を子会社に持つため、期首・期末の仕掛品の未実現利益の仕訳(開始・実現・期末修正)や勘定連絡図から、売上原価を計算する箇所が難しそうだと予測。

一方で第2問は理論問題。ここから取っておこう。以上より2→4→5→1→3の順番で解答を作成する。

第2問:理論問題・満期保有目的債券(償却原価法)

簿記検定ナビの解説(第2問)

注意点

まずは理論問題。全体的に仕訳のやり方を聞いている印象で、理論の練習問題をやらなくてもできる感じだった。注意するべき点は最後の満期保有目的債券(償却原価法)の計算。社債の価値と帳簿価格との単位が違うので注意

問題文

たとえば、20X1年4月1日に社債1,000,000千円を額面100円につき99.00円にて償還期日20X6年3月31日まで保有する目的で購入したとする。ここで定額法によって、償却原価法を適用したとすると、20X3年3月31日時点の満期保有目的債券の貸借対照表価格は( )千円となる。

解答例

会計期間は4月1日~3月31日。ここで社債を取得した20X1年4月1日時点での評価額は、1,000,000,000(円)÷100(円)×99.00円=990,000,000(円)。

ここで保有期間は20X1年4月1日から20X6年3月31日までの5年間より、1年あたりの有価証券利息=(1,000,000,000-990,000,000)÷5(年)=2,000,000(円/年)。

20X3年3月31日までは取得から2年経過しているので、990,000,000(円)+2,000,000(円/年)×2(年)=994,000,000(円) 。単位は千円だから、994,000,000(円)÷1,000 = 994,000(千円)

解答の単位が千円なので、千円のまま計算しても同じとなる。どうしても気が付かない場合は、最後に単位を千円に合わせる事を忘れないように。又解答の単位が千円の場合など、途中の仕訳の金額の単位も千円に合わせるなど、間違えない工夫をすると良い。

過去の事例(第151回の第2問)

実はこれだけでない。過去、第151回の第2問の株主資本等変動計算書(S/S)の問題でも、単位が(千円)となっていた事が思い出される。解答欄の「資本金30,000」を見て驚いた人もいたはずである。

最近では出題者側も「問題の細かい部分を変えて、如何に過去問をやってくるだけで正解させないようにするか?」に力を入れている模様。問題演習の上でも、今までと何処が違うか?を意識して勉強していく必要がある。

第4問:原価の分類・本社工場会計の仕訳問題

簿記検定ナビの解説(第4問)

第4問は本社工場会計。費目別計算の仕訳を本社と工場に分けて書くのが本社工場会計の問題である。自分の経験上初めて受ける場合程、本支店会計・本社工場会計・連結会計・製造業会計などはどうしても後回しになってしまう。本問は個人的に、勉強が遅れがちな初めての人なりに難しいと思う。

注意点

値の読み取り、解答欄に書く内容・転記ミスに注意

2chの簿記2級スレを見ている限りではいないと思うが、解答欄の本社と工場の仕訳を上下逆に書いてしまわないように注意!そう。何度もこう言う失敗をしているので、細かい所でも見逃せないのだ。

自分は普段、本支店会計でも本社工場会計でも、本店(本社)の仕訳を上、支店(工場)の仕訳を下に書きながら練習していた。当日(2)に差し掛かった段階で、あれ?解答欄の向きが逆である事に気づいた。そんな訳で解答欄への転記ミスを防ぐ為、(2)からは工場の仕訳を上に書くことにした。

過去の事例(第152回の第4問)

このような失敗として思い当たるのが、第152回の第4問の部門別配賦?の問題である。予算に関する表から、なんと予定配賦の分母の値を間違って取ってきてしまい失敗。と言うのも分母の値を間違って取ってきても割り切れてしまうため、ミスに気がつきにくいのだ。結果、第5問でペースを崩すのに加え、今回再受験する道を歩む結果に。

前の仕訳程丁寧に!

いつもなら、費目別計算・本社工場会計の解答の手順は、原価の分類(仕掛品か?製造間接費か?)と計算→仕訳作成と転記→勘定連絡図を作成の順番でやる。

試験当日、製造間接費配賦差異の仕訳が聞かれる場合に備え、勘定連絡図を書きながら解答を進める。ここで(4)を解答する段階で、勘定連絡図が要らない事に気づく。実質原価の分類の基本だけで良いと言う、非常に珍しく簡単な問題設定。

これは第3問が取りづらいので、敢えて第2問と第4問を簡単にしていると考えられる。だからこそ落とせない問題なので手強かった。

一方で今回のような特別な場合でない限り、材料購入の仕訳で材料副費を加えてきたり、もうちょい問題の設定が難しい状態で出題されると思う。こう言う時程前の仕訳につられて、後の仕訳も自動的に間違ってしまう事が通例である。費目別計算が苦手な自分としては、本当に第3問に恵まれたの一言である。

第5問:組別原価計算(仕損・減損無し)

簿記検定ナビの解説(第5問)

注意点

今度は第5問の組別原価計算の問題。手順はいつも通り、原価データ→仕掛品のボックス図→損益計算書。

第152回の第5問と同様、今回もまた資料の読み取りが難しい。特に原価データを作る上で、「勘定連絡図における仕掛品の完成品総合原価=当月の製品製造原価」に気づいて値を取るところに骨折れた。

案外当日だとできないものである。工業を得点源にしたい人程、これで予定やペースを崩した方々も少なくないはずだ。

自分は過去、仕損が完成品負担か両者負担かで引っかかり、最後までペース崩しっぱなしだった。何でもない所で引っかかると却って焦ったりもするので、基礎は完璧にしておくと当日楽である。

第1問:仕訳問題

簿記ナビの解説(第1問)

注意点

今度は仕訳問題へ移行。何とも注意せねばならない点満載の問題。注意する点をまとめると、

  • [1]:問題文から研究開発費勘定を使う所に注意が行ったか?現金か預金かの振り分けができたか?(答練では間違えた)
  • [2]:前期に貸倒が発生したものは貸倒引当金(B/S)、当期に貸倒が発生したものは貸倒損失(P/L)
  • [3]:(2)の期末処理で、減価償却費を計上する期間が7ヶ月である事と、直接法で仕訳を作成する所。(2重で間違えました!)
  • [4]:電子記録債権を譲渡(受取手形と同じ売上債権等の譲渡)したので、電子記録債権勘定が使えるか?
  • [5]:実質2問分の抱き合わせにビビらないかどうか?

その他言いたい事

やっぱり合格率を絞ってきてるな。さて第2問の株主資本変動計算書(S/S)が苦手な俺としては、[5]で増資と準備金の繰入が抱き合わせで出なくて良かった

準備金の繰り入れは(A)[配当金×1/10]、(B)[資本金×1/4 - 資本準備金 - 利益準備金]のどちらか小さい方で計上される。ここで増資などで資本金・資本準備金が変動すると、(A)の「資本金×1/4」の値などが変わってしまう。頭では分かっていても、どうもこれを間違えるのだ。

(2)を見てると、決算を意識して仕訳を作成する事は今後要求されそう。固定資産の圧縮記帳と期末処理を同時に出すなど、第2問で聞くような事を第1問で聞いたりと随分出し方が変わったものだ。

第3問:製造業を子会社に持つ連結会計

簿記検定ナビの解説(第3問)

予備校へのお礼

最後はいよいよ第3問、製造業を子会社に持つ連結会計。資格の予備校TACへのお礼と致しまして、結果は6点でしたが無事に部分点が取れ、おかげさまで合格できました。本当にありがとうございました!同パターンの問題をやっていたので、本番焦りすぎずに済みました。

注意点

未実現利益には手を付けない!

直前答練で同パターンの問題をやったとき、問題文が難しく結局時間内で出来なかった。

今から思えば解答欄に開始仕訳、3点セット*2(当期純利益の振り替え、配当金の修正、のれん償却)の仕訳があったため、「いつもと違ったパターンでも、今までやってきたところを探して解答して来るんだよ」と言う事だったと思う。

ここで今までやった所とはタイムテーブル、開始仕訳、3点セット(当期純利益の振り替え、配当金の修正、のれん)、債権債務等の相殺消去、土地のダウンストリームの修正など。これら部分点が取れるかであるようだ。

お恥ずかしながら、自分は売掛金と買掛金の処理を間違えたようだ。どうも、予備校の問題と本番では言い回しが違う*3所で失敗したようだ。言い訳として、予備校の答練の問題だと相殺消去の内訳を詳しく書くんだけどね(笑)。「練習問題で基本的なやり方を確認。本番の問題で問題文や設定の言い回しを確認」の流れも大切である。

その他言いたい事

相殺消去で点数が取りづらくなった?

第151回を境目に「今までやった所をやろう」「開始仕訳・3点セット・相殺消去までやろう」と言う声があちこち上がるようになった。その対策の対策の為か、商工会議所側もただでは相殺消去させて得点させたくない模様。ワザと相殺消去の数字をずらして手形がどうだの?など修正をやらせるように変更された。

参考

注)棚卸資産の未実現利益の処理について

以下は何処の予備校の先生やYouTuberの方でも「やらなくていいよ!」と言う箇所なので、軽く聞いてほしい。

製造業を子会社に持つ連結会計の問題の大変な点

製造業を子会社に持つ連結会計の問題の大変な点は、棚卸資産(商品・製品・部品・仕掛品など)の未実現利益(期首・実現*4*5・期末)の計算だ。製品・部品・仕掛品などの棚卸資産の種類も多く、この処理が難しい。

未実現利益の計算はやらないと判断

当日は相殺消去を終えた段階で時間は10分前後。ここで切り上げ、第5問の見直しに回した。何故これ以降を打ち切ったかの理由を話す。それはTACでやった直前答練より問題の設定が難しい。問題文の読み取り・計算量・処理量ともに大変そうだ。結果時間内ではできないと踏んだ。

(2 中略) P社は部品Aの販売時にその調達価格の10%を加えたものでS社に販売している。(部品Aはダウンストリーム?)S社は、付属機器Bを製造原価に30%の利益を加えた価格でP社に販売(付属機器Bはアップストリーム?)し、それ以外に外部の第三者にも付属機器Bとその他の機器に直接販売している。

資料(2)に「製造原価」とあるように、部品や製品の原価の情報から利益を求める必要がある。そのため勘定連絡図から部品や製品の期末在庫が幾らか?を計算する必要があると踏んだ。

ここから期首・期末の未実現利益の計算を10分-30分でやるのは、元々無理と言う事に気づいた。「未実現利益はやらない」の判断に直前答練が役に立ったとは。過去の類題・塾・予備校冥利である。

最後に

ここまでお読みになられた方、お疲れ様でした。書きたい事を書いているだけなので、分かりにくい部分がありましたらご了承ください。

筆者は試験では細かいミス、やってはいけないミスで何度も再受験してきました。どんな所で失敗したか?をまとめて書くことで、皆さんが次の第153回の試験当日に同じ失敗をしないことに繋がればと思います。ホント、全日本注意力検定2級と言うべき、簿記検定2級が終わってよかったです!。皆さんが試験を終わらせられることを心より願います。

仕訳や財務諸表と同じくらいに、資格の取り方を勉強したように思います。これらを自分の予算計画や、他の資格に活かしていけたらと思います。

休む時は休んで下さいね。多少疲れが来て風邪気味になるのは仕方ないですが、休む体制づくりと休むことも大切です。

筆者は11月前後に台風が来て家に帰れず、健康ランドで寝たとか色々ありました。試験1週間前は疲れがすごかったので、予備校の自習室を出る時間を21時30分→20時30分に切り上げました。加え、前日のホテルでは3回寝ました(笑)。

次の第154回は2月開催なので、カイロや温かい冬着など寒さ対策をきちんとして下さいね。それでは次の第154回を受験される皆さん、体に気を付けて受験勉強頑張って下さい。

*1:この時筆者は本支店会計の勉強すら追いつかず、勘定連絡図すら知りたての時期だった。知ってる第二問をやろうとして失敗の流れである。

*2:自分独自の言い方です。連結会計と言ったら必ずやるんで・・・

*3:本番の問題文の言い回しに慣れよう」は、税理士簿記論・財務諸表論あたりでもそうらしい。「第54回過去問(財務諸表):税理士試験突破術」

*4:前期末に棚卸資産の未実現利益を計上したものが翌期中に売れた場合を考え、売れた分だけの売上原価を逆に戻す仕訳する必要がある。これを実現仕訳と言うらしい。実現仕訳の詳細はこちらのサイトを参照の事

*5:連結会計の未実現利益の扱いってどうなっているのだろう?期首・期中・期末全部聞いてくるようになるのだろうか?