Aggressive Style 5

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Aggressive Style 5

昨今はコミケ関係を中心に書いています。同人やニコニコ動画方面で活躍される方の相互リンクをお待ちしています。

【TGS2016】東京ゲームショウはキャバクラゲームショウなのか?というより、出展企業が得しないのが問題(2017.5.6 記事修正)

東京ゲームショウと集客数、イベントの広告効果について

東京ゲームショウの女の子について。ゲーム会社の社長が、イベント会場にて露出の多いお姉ちゃんでお客を釣るという宣伝にムカついている件について。

第18回『“キャバクラゲームショウ”やめませんか?』の巻|ゲーム制作会社 サイバーコネクトツー 松山洋の「絶望禁止」ブログ 第18回『“キャバクラゲームショウ”やめませんか?』の巻|ゲーム制作会社 サイバーコネクトツー 松山洋の「絶望禁止」ブログ

「別にいいじゃないか!(話聞くにXperiaはやり過ぎ)」「こういう会社には絶対に就職したく無い。」。この2点がこの記事の主観的な感想だ。

思ったこと1:あるブロガーのここだけの話

どうにもこうにも的外れな意見だ。まずブログをやってる人からすると、自分のブログのアクセスの為と言った所だと思う。まずコンパニオンやコスプレの記事自体、要はヤングマガジンのグラビアコーナーだとお考え頂きたい。記事を掲載する側としても、サイトのトップにならんだとき、サイトに来た人がとりあえず目に留まる事を狙っている。又ゲームを知らない人、AならAを知らない人でもまずは見てもらえると言うのも狙いだ。

このブログ場合、この他遊郭跡地の撮影だったりする。しかし女の子あってのものなのでと言うのと、俺の人集めが苦手なのもあってこういうコンパニオン系のネタを載せている訳だ。そしてここのブログの大半のジャンルは女の子無くては成り立たないため、付き合って頂いている各方面の女の子には感謝している。

またgoogle analyticsなどのアクセス数集計ツールとも相性が良く、数字に特化した作戦が練りやすいのもある。数字を追っかけてしまうのは、実は経営者もブロガーも同じなのだ。

色んなメディアが載せる前の頃、コミケ知名度には良くお世話になったものだ。ここのPV数が500から1,000まで上がったりもした。しかし大手メディアが同じ必殺技をつかうようになり、土壌の良い土地が差し押さえられてしまったと言う訳。

無論俺がここで手の内を書くのも、「お前はもう、終わっている」状態で、既にこの手の内が使えなくなってきているからだ。そうなって来ると「じゃあ今までやってる事の評論を書こう!」と既に終わった事を書く訳だ。

過去記事:2013.1.16 前記事(イベント系記事)におけるSEOの面からの反省点 〜SEOについて改めて考える〜
過去記事:2013.1.4 「コ*ックマーケット83(C8*) コ*プレ写真集15選」の記事にて反省した事:SEOに付いて今更考える

思ったこと2:出展者にとって、来場者数n_0が多い事は特なのか?

今度はイベントの主催者、イベントの出展企業(広告主)が何故何処もそんな無理してまで集客数にこだわるのか?と言う事を熱弁したい。簡単に考えるならば、「実際に効果が上がったかどうかを調べやすいため」と言った所だろう。まず以下に話したい事の要約を書いた。

思ったこと2の要旨

  1. 各種イベントが来場者数重視となっている
  2. なぜ来場者数重視になるかと言うと、主催者が経費の回収がしやすいから
  3. なぜ来場者数重視になるかと言うと、主催者側が出展における広告効果があった事にしたいから
  4. しかし出展者の理想としては、少ない広告費で多くのブース来場者数を誘致したい
  5. 少ない広告費でという感じなので、女の子の露出が激しくなることも...

準備1:算数数学(Σ)を駆使して、収益モデル(KPI)を整理

まずここからはしばらく、本記事で使う数学的なモデルを紹介していく。イオンなどの大型スーパー(GMS)を思い浮かべて欲しい。まずイオンがデカい商業スペースを用意し、そこにテナントがm社出展している。この時「イオン側の売上高[円] = m社のテナントにおける出展料(テナント料)の合計 + 自社のテナントの売上高」となる。

ここにイベントの場合における主催者側の売上高、もとい収益モデルを整理していこう。1参加者から一定の会費c_2円を取っている場合も考慮し、以下のように整理してみた。

イベント主催者側の売上高 =m社の出展企業の出展料の合計 + n_0人の来場者数の会費の合計
主催者側の売上高S[円] =
出展1㎡あたりの賃料c_1[円/㎡] × 貸し出した面積s_kの合計[㎡] + イベントの会費c_2[円] × イベント来場者数n_0[人]
ここでm社の出展ブース面積をs_1,s_2,...,s_mとして、S= c_1 \sum_{i=1}^{m} s_i + c_2n_0

ここで主催者側が売上高を上げるにはどうすればいいだろうか?整理した収益モデルから5通り考えられる。

  1. 出展する企業mを多く誘致する
  2. 出展1㎡あたりの賃料c_1[円/㎡]を上げる
  3. 各出展企業に多くのスペースs_k[㎡]を貸し出す
  4. イベントの会費c_2[円]を上げる
  5. イベント来場者数n_0を増やす

無論主催者側も売上高Sの目標があるだろう。その目標に応じ上記の5つの数値を上げ下げする訳だ。こんな風に売上目標などに関わる数値、変数(文字)、指標の事をKPI(Key Performance Indicator)と言われる。

単純に考え主催者が出展企業を多く取って売上を出したいならば、出展スペースを多く借りるだろう。一方で、イベントの来場者数n_0[人]の入りが低い時は、イベントの会費c_2[人]を多く取って回収すると言った感じだ。

準備2:商品を買った人の割合(成約率)の計算式

まず広告や宣伝により、顧客が商品を購入した人の割合(成約率:CVR)をどう計算するかについて話す。例えば来場者数n_0[人]のイベントにスペース出展し、 n_1[人]のお客さんに商品を見てもらう。さらにそのうちのn_2[人]にその商品を買ってもらう。この流れを整理すると以下のようになる。

  • 次のステップに進んだ人の割合(条件付き確率)p_k = \frac{n_k}{n_{k-1}}
  • [step0]
  • イベントに出展する
  • イベントの来場者数:n_0
  • [step1]
  • お客さんに商品を知ってもらう
  • ブース来場者数推計:n_1, 占める割合p_1=\frac{n_1}{n_0}
  • [step2]
  • お客さんに商品を購入してもらう
  • 購入したお客さん数(成約人数):CV=n_2, 占める割合(成約率)CVR=p_2=\frac{n_2}{n_1})

この事をベン図にまとめると、


f:id:RyuichiXP:20161005234735p:plain

このモデル式は、イベントのあるブースの来場者数n_1が、イベントの全来場者数n_0の何割を占めるかの割合(確率)を表す式である。step(k-1)からstepkに進んだ(遷移した)人数の割合(条件付き確率)をp_k = \frac{n_k}{n_{k-1}}とおいた。又k回の段階を経て最終的に残存した人数は、過去の割合をそれぞれ掛け表せば良くn_k = n_0p_1p_2....p_kと表せる。*1

ここで図の丸の大きさ(面積の大きさ)は、単純にパイの大きさを表したもの。パイの大きさ=円の半径の大きさと考えて頂いても大丈夫だ。例えば商品を購入した人の数n_kは、イベントに来場した人数n_0よりもどうしても少なくなる。以上から実際の広告効果p_kは、 大元のパイn_0よりもかなり小さくなる事が予想される

重要なのは、ブースに来てくれた人数n_1を何人取りたいか?何人位に商品を見て欲しいか?と言う集客目標だ。同じブース来場者数n_1=100(人) でも出展する企業側にとって意味が変わる。CV(商品を買ったお客さん数)を大きく出したい企業程少ないと感じるだろう。逆に「まずは商品や会社を!」 と、CV(商品を買ったお客さん数)を大きく出さなくても十分と思う企業もあるはずだ。

イベント来場者数n_0が増えるメリット

ニュースでは「過去最高の来場者数」などと謳い文句を付けて宣伝するが、そんな事をして何の得になろうか?ゲームショウのお客の立場として、来場者数n_0が増えればゲームを体験するための待ち時間が増えるだけだし。出展企業側もブースに来てくれた人数n_1の低下を招くだろう。

丁度東京ディズニーランドのアトラクションを待つかのように、各試遊台には人がごった返していて回転率が良いとも言えない。しかしながら主催者側からすりゃあメリットがあることの説明をしていく。

参考:「ディズニー・ファストパス」の問題点を考える - 舞浜新聞 「ディズニー・ファストパス」の問題点を考える - 舞浜新聞

メリット1:イベント主催者にとっての売上高が上がる

1点目はイベントの売上高Sが上がる点だ。これは先ほど説明した収益モデルから明らか。例えば会費1,000[円]のイベントにて、来場者数が1,000[人]増えたとして、売上高Sは、1,000[円]×1,000[人] = 1,000,000[円]程多く取る事ができる。

メリット2:出展企業を誘致する口説き文句に使える

もう一点は来場者数が多いと、数字の上で広告効果も高くなる。このため、「イベントの来場者数n_0が年々増えてますので、CVR(成約率)を上げることにつながります」と、イベントの出展者に対しての口説き文句が1つ増えることもメリットとして考えられる。

まずK-Stepよりp_1p_2は一定と考える。ここで成約した人数CV = n_2 = n_0p_1p_2 = (p_1p_2)n_0となる事から、式の上では商品購入者数はイベント来場者数に比例すると考えられる。その結果出展企業数mを増やす事につながる。

「まずは商品を紹介したい」「自分の会社の威厳を見せるため、ブース面積を多く取りたい」という出展者も居るだろう。こうした出展者ニーズに答え広告主にスペース1㎡あたりの賃料c_1や、出展スペースの広さs_k[㎡]に関するプランなどを上手く用意できるかも、主催者の腕の見せ所。

さらにイベント来場者数n_0が多くなると、イベントそのものの"株価"が上がる。要はイベントのチケットなどのセリとなる訳だな。株価が大きくなった事を上手く利用し、広告主にスペース1㎡あたりの賃料c_1を高く取る事ができる口実となるのだな。

実際の所、出展して広告効果あるのか?数字の上で調べてみた

さて今まではイベント主催者側の立場で物を言ったが、今度は出展企業側に焦点を当てたい。出展企業側としては商品の紹介をしたい、目立った事をして売上につなげたいなど様々な思惑があるはずだ。だからイベント来場者数n_0が増えた所で、実際にブースに来場した人数n_1が増えるとも限らない。以下、イベント来場者数n_0が増えた所で、実際にブースに来場した人数n_1がどう関係するか調べて行く。

過去のデータから、ブース来場者数n_1の目処を立てる

今度は過去のデータ(「東京ゲームショウ(wikipedia)」)から、ブース来場者数n_1の目処を立てたいと思う。

計算式
  • 一日当たりの平均来場者数[人/日] = 来場者数[人] ÷ 開催日数[日]
  • ブース毎の平均来場者数[人/ブース] = 来場者数[人] ÷ 出展企業数[ブース]
  • ブース毎の平均来場者数比率(n_1/n_0)= ブース毎の平均来場者数[人/ブース] ÷ 一日当たりの平均来場者数[人/日]

結果


論評

一言で言うと、「確かに来場者数n_0は増えている。しかしながら出展ブース数も増えているため、年々ブースに来てくれた人 n_1や、その割合p_1=\frac{n_1}{n_0}も減少傾向にある。数字の上からでは来場者数が上がると、イベント出展各企業の広告効果が上がるとも言えない」と読む。

単純に来た人数をブース事に均等に割り当てているだけの計算となるので、実際はもっとブース来場者数も多い。平均的に1ブースに割当可能なお客さん数が減ってきて、お客さんの取り合いになる事も考えられる。ブースの集客数から売上を出そうと考えてる出展者程、女の子の露出を多くしてブースの来場者数n_1を稼ぐと言う流れだ。

参考:KPIに対する的外れな悪口:ごんざれふ

また出展企業数mと来場者数n_0が増加傾向にある。この為収益モデルS= c_1 \sum_{i=1}^{m} s_i + c_2n_0の上では、主催者の売上Sを多く取る事ができる。

昨今 「ネット広告で、n_1人に広告を見てもらったので広告効果あった」とウソの報告して客からちょろまかす電通さん*2*3が話題となった。

どうにもこうにも頭数n_0で勝負するやり方って、投げる方は儲かって受ける方は得しないよね。 ひょっとすると主催者だけ得していて、他の人間は誰も得していないのでは?というのが正直な感想だ。

参考:3分でわかる電通 の不正(不適切業務)とネット広告の闇について - さようなら、憂鬱な木曜日 3分でわかる電通の不正(不適切業務)とネット広告の闇について - さようなら、憂鬱な木曜日

最後に

その一方で来場者数n_0を当てにする主催者や出展者も居るし、それらの収益も減少するためいい顔はしない人もいるはずだ。さてソーシャルゲームの1Qにおける客単価は1,203円前後と言う話を聞く*4。客単価が低いとなると、どうしても宣伝でお客さんを多く集めたくなる。こうして今日の有様と言う訳だというのが俺の主観だ。

結局商品の売上が、イベントの来場者数n_0に依存しない商品。要はソーシャルゲームブームが落ち着くまではしょうがないと思う。

*1:確率のマルコフ過程を知ってる人向け:上記はアトリビューション分析を参考にしたもので、話を分かりやすくするために経路の分岐がない推移図を扱っている。アトリビューション分析については、インターネット広告代理店で働くデータサイエンティストのブログ等。

*2:電通がネット広告不正で最終報告 ほぼ1千件、うち架空請求40件 役員ら17人を減俸処分 - 産経ニュース

*3:正直電通にこういうことやって欲しく無かったなあ。過労死事件でお茶を濁してるとおもうんだけど、業界人の端くれとしては、業界の印象悪くなるから止めてくれと思う。

*4:平成29年9月期 第1四半期決算説明会資料(1,866KB): 株式会社コロプラより