Aggressive Style 5

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Aggressive Style 5

昨今はコミケ関係を中心に書いています。同人やニコニコ動画方面で活躍される方の相互リンクをお待ちしています。

CDの売り上げに関わる、3つの要素を考えてみた

【音楽】スガシカオ「売れない」 窮状告白を自分なりにまとめてみました。特にCDからの収入を上げる手法を中心に、L、M、Nからなる3人のインタビュー形式でまとめてみました。

以下L,M,Nの会話スタート

L:まず会社側から制作側が制作を請け負う契約にて、その内容が売り上げに依らず固定の額で請け負う契約なのか、売り上げに応じて歩合で請け負う契約なのかに注意せねばなりません。今回はフェルミ推定等の手法を用いて、ある音楽家がCD制作における収入を推定してみました。以下の歩合契約時における


収入 = 固定契約時の収入 + 歩合契約時の収入

= (CD制作の1件当たりの受注単価 * 受注件数) + (CD1種類当たりの売上 * 歩合率)

= (CD制作の1件当たりの受注単価 * 受注件数) + (CDの単価 * CDの売上枚数 * 歩合率)

式1:CD制作にまつわる収入の推定

L:上式よりCDの売上枚数が下がると、CDから得られる収入の合計が減ってしまうとスガさんは嘆いている事が分かります。ここからは歩合契約時の収入のみ見て行きます。

歩合制の給与を上げる方法(1):CDの単価をつり上げる

L:でもそもそも歩合制の時の歩合率はいくらでしょうか?以下の書き込みから見てみます。



191 :名無しさん@恐縮です@\(^o^)/:2014/05/26(月)

相場で言えば、メジャーだとソロのシンガーソングライターが作詞作曲して3000円のアルバム1万枚で120万行くかどうか。

シングル1000円なら印税ありで40万にいかないくらいで、1配信200円は1万ダウンロードで5万。

インディーズなら単純に売り上げの半分くらいが自分のものになるから1500万入るらしい。

普通は1万も売れない上に全部自分でやらなきゃいけないので、元々の売り上げが小さいと下手に人を雇ったりしてると割を食う上に、

宣伝が足りないので次に繋がらない。

L:上記の書き込みに依れば歩合率をxとして、3,000(円) × 10,000(枚) * x = 1,200,000(円) ∴x=0.04。つまり歩合率は4%となります。これは10万枚売れて1,200万円という計算となります。

おまけ:流通に回った段階で利益が出るので、出版側は利率の良いCDを出したい?

L:話変わって、CDが我々の手に届くまでの流通の過程を見てみましょう。まず制作されたCDはプレス工場でプレスされます。次に問屋から全国のCD店に届き、最後に皆さんの手に届きます。ショッピングサイトの「amazon.com」、オークションサイトの「eBay」、そして音楽配信でおなじみの「iTunes(apple)」等はこの中間を削って利率を確保している訳ですね。



図1:CDがお客さんの元に届くまでの過程

L:今回のモデルから考えれば、CDの単価が高ければ、歩合契約時の収入を得やすいと言う事が分かります。2chの書き込みに、「CDはプレスされて問屋に行った時点で収入が入る」と言う書き込みがありました。ここでアルバムの価格を2,000円前後まで落とすと、歩合率が4%ですから80万円まで落ちてしまいます。これが本当だとすると、歩合契約の場合、問屋に卸すCDの値段が高い方が都合が良いと言う見方もできます。


222 :名無しさん@恐縮です@\(^o^)/:2014/05/26(月) 09:28:00.23
>>189
CDは流通ルートに乗る
プレスされて問屋に行った時点で金が入る
配信は売れないと金が入らない

歩合制の給与を上げる方法(2):CD1枚あたりの歩合率(取り分)を上げる

M:自分学生の頃バンドやってたんですよ。Lさんの話見たいにCDを流通に載せる事はしなかったんですけど、自作のCDを売り上げた事がありました。尤も広告費と言ってもYouTubeSoundCloudくらいでしたから、そこまでかけていなかった記憶があります。だから、


制作費の割合 +自分らの取り分(の割合) = 1

自分らの取り分の割合 =1 - 制作費の割合{要は"余事象"}

式[1]:自費出版時の自分らの取り分

M:だった記憶があります。もちろん流通や広告を余り打たなかったので、売上高が数千万〜数億レベルではありませんでしたが、利益率的な観点でのメリットはあったと思います。ここで一般の場合、これに流通や販売にかかる費用、広告費用、さらには著作権料などその他の団体に払う費用が含まれてきます。従って、


広告費の割合 + 制作費の割合 +自分らの取り分(の割合) +(他の団体が持って行った)利益の割合 = 1

自分らの取り分(の割合) = 1 - (広告費の割合 + 制作費の割合 + 利益の割合) {要は"余事象"}

式[2]:一般の場合におけるCDの取り分

M:と自分らの取り分の割合の下がる要素が含まれてきます。さらに、「CD価格の内訳」に依れば、単価3,000円のアルバムが10万枚売れたときの支出の内訳は以下のようになります。



図2:3,000円のアルバムが10万枚売れたときの売り上げの内訳(「CD価格の内訳」より)

M:今回のモデルで足りなかった名目もあり反省する所ですが、上の図を見ても分かる通り一定の販売数を見込む為に、制作費より他の費用がかかるのが現状です。要は我々の立場からすれば、音楽媒体を流通に載せたり広告を打つのってバクチで、これらの業者に払うお金なんてその掛け金と言って良い。これから先の時代、売上規模をどれだけにするか?こういったバクチを打ってどれだけリターンがあるかを見込みつつ、[1][2]のモデルのどちらが良いかを考えなくてはなりません。


歩合制の給与を上げる方法(3):1人に買わせるCDの枚数を増やす

N:あと最近だとAKB48みたいに、1人あたりCD2枚以上買わせて収入を確保する動きもありましたね。ここでモデルを立て直すと、


歩合契約時の収入 = CDの単価 * CDの売上枚数 * 歩合率

= CDの単価 * (1人あたり買う枚数 * CDを買った人数)* 歩合率

式2:1人に2枚以上のCDを買う場合の収入の推定

N:しかし1人あたりに買わせるCDの枚数を増やしたからって、売上が2倍になったと言う報告例はありません。Webサイト「戯作工房」さんに依れば、


「xxx」以外の、昨年発売されたxxxのシングルCD、計4枚の売上はそれぞれ、143万枚〜107万枚。平均すると、125万7126枚になりました。こちらには投票券はついていません。握手券だけです。つまり、182万56枚(投票券付きで一番売れたCDの売上) − 125万7126枚(投票券なしのCDの売上平均) = 56万2930枚(「戯作工房」さんより一部加工)

N:等を見ていると握手券つきのを180万枚、投票権なしの平均を120万枚としたとき、180(万枚)÷120(万枚) = 1.5(倍)CDを売り上げていると見る事ができます。とまあ通常CDって1枚だけ買うものですから、安易にこの商法は使えないと考えています。

最後に

今回音楽の売上に絡む各種名目を数式で束ねてみたかったのでこうしてみました。特に「売上枚数に応じて収入が変わる時、歩合性の契約だと、CDの値段が高い方が実入りが良い」と言う新しい発見につながりました。世の中契約で儲けている商売は沢山ありますが、その契約内容をきちんと把握することも大切です。「さあ、僕と契約を」と言って後に引けなくならないように気を付けねばなりません。

さて数式で束ねたところ、歌手がCDからの収入を得る為に、(1)「CDの単価」(2)「CD1枚あたりの歩合率」(3)「CDの売上枚数」の3つのアプローチがある事が分かりました。それぞれにおいて出来る限り実例を書き、まとめてみた次第です。本記事がCDや書籍の制作や販売に関わる方の参考になれば幸いです。